トガニをさっき観終わったが、すごく目が離せない映画だった。
dTVで見放題になっていたので、休みの日の明け方目が覚めて途中でもしかしたら、また寝てしまうかもしれないと思いながら、見始めたのに、全くそんな心配はなくずっと見入ってしまった。
トガニは2005年に、聴覚支援学校で実際に起こった暴行・性暴行事件をベースに書かれた小説で、コン・ユさんが、映画化を切望し、韓国で話題になり、法律まで変えたと言う事は知っていたけども、まさか、こんな生々しいとは。
トガニは描写が生々しい
犯罪を犯しているときの様子
犯罪の中でも性犯罪、性犯罪の中でも一番許せないのが、子供に対する性犯罪だ。
その描写が非常に生々しく、役者さんのイメージが悪くなるのではと思うほど。
観ていて目を背けたくなってしまうような生々しさだった。
R18というのもうなずける。
裁判中の様子
性犯罪にもかかわらず、法廷に子供が立ち、犯人を目の前にして、自分がされたことを証言するのもかなりキツイと思った。
※何かで観た日本の裁判では、犯人との間につい立があったり、別の部屋からテレビ電話で中継していたような記憶があるから。でも、2005年の話なので、今は韓国でも違うかもしれない。
親の居ない子や生活困窮者の子を狙うという周到さ
このトガニの話で、ことさら嫌な部分でもある。
狙われた子がただでさえ、耳が聞こえないというハンディキャップを持っているのにもかかわらず、さらに親が居ない子や生活に困窮していて、示談でお金を払えば、訴えを取り下げる保護者を持つ子供ばかりを狙っているところが、妙に生々しかった。
韓国社会の闇
韓国ドラマを観ていると社会的権力(判事長とか検事長とか財閥のえらい人とか)を持ったものがあまりにも強すぎて、いやいやドラマだからっしょ?と思う時が多々ある。
しかし、このトガニ事件が実話だと言うこと、ナッツリターン事件が実際に起こった事件だと言うこと、韓国ドラマに描かれている権力がある人は、周りを抱き込んで、なんでも出来るのは事実なのかもしれないと思えてしまう。
権力を持った人が融通を利かせるのはどこの国でもあることだとは思うが、ことさら、韓国はそのイメージが強い。
社会的権力が強い人が白と言えばどんなに真っ黒でも、白になるんではないかと思えてしまう。
だからこそなのか、無法弁護士という権力者と戦う法廷ドラマでは、法廷に外国人記者を呼べ(韓国内の記者だと懐柔されるからだと思われる)というセリフもあった。
また、ナッツリターン事件があれだけ世間(世界)の知るところになったのも、あれが韓国外で起こったことだったからなのかもしれない。
※ナッツリターン事件は韓国航空会社の偉い人(多分財閥、多分家族経営)が、自社のファーストクラスでナッツを袋で出され、激怒し、滑走路へ向かう飛行機を引き返させたという事件。(従業員はマニュアルに従っただけ)
飛行機が引き返すのは運航に困難である重大な理由がない限り許されないのだが、それを己の自己満足のためにやれてしまうあたりの感覚が非常にヤバいと思う。
このナッツリターン事件、Wikipediaにはアメリカ合衆国のJFK国際空港で発生し、韓国外の海外メディアが一斉に報道したため、世界で知られることになったとある。
このナッツリターン事件が韓国国内の空港で起こったのなら、もみ消されて、こんなに世界中には知られていないのではなかっただろうか?
このトガニという映画はもちろん子供に対する性犯罪が悪いのは間違いがないが、その犯罪を犯したものを組織ぐるみで隠ぺいし、犯罪者がほとんど刑を受けず、しかも元の職に戻っているというのが、法治国家にもかかわらずまかり通っているところが恐ろしい。
トガニの後変わったこと
このトガニという映画が社会現象を巻き起こして、法律が改正されたと聞いた。
そして、この学校は閉鎖されたらしい。
また、この事件が明るみになった後、「私たち大事にされていいんだ」と、子供が話したという。
この言葉は重い。
人は誰でも、誰かに大事にされていいに決まってる。
そして、毎回子供が悲惨な目にあう話を観ると、子供は大人にかなり左右されるというのが分かる。
今回、コン・ユさんが演じた先生は実際はいろいろあったらしいが、とにかく、スルーしないで、声を上げてくれて本当に良かったと思う。
そして、その実話を本にした、コン・ジヨンさん(ちなみに日本語に訳したのは蓮池薫さんでびっくりした)、映画化に尽力したコン・ユさん、それを観て声を大きく訴えた韓国国民が本当にすごいと思う。
どうか、こんな事件がもう起こりませんように。



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